「え……?」 美彩紀さんの言葉が理解できなくて、思わず声が詰まる。 『私にくれない』……? なんで……? 「大原さん、あなたは結城くんに釣り合うって思ってるの?」 「……っ」 すごく痛いところを突かれた。 そんなこと……一番私が気にしてる。 「私、結城くんの元カノなの。 なのに、あんたなんかと付き合う結城くんがかわいそうで」 ぎゅうっと拳を握りしめる。 〝元カノ〟 その言葉が頭の中で何度もぐるぐるする。 だって、真紘くんの元カノさんのことなんて、知らなかった……。