「はぁ……」
吐いた白い息が、寒空へと溶け込んで行った。
春樹くんに気持ち、伝えられました……。
真紘くんの笑顔が浮かぶ。
なんだか無性にその笑顔に触れたい、今……。
肩にかけたスクールバックの持ち手をぎゅっと握りしめ、校門を出た、その時。
「未央」
……振り向かなくても分かります。
愛おしいその声が聞こえて振り返ると、
そこにはやっぱり───……
「真紘くん……」
マフラーに顔を埋め、校門に寄りかかるようにして立つ真紘くんがいて。
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