気づけば涙が頰を伝っていた。
なんで涙が流れているのか、分からないけど、でも止まらないの……。
「春樹くんは、弱虫なんかじゃ、ないです……」
「え……？」
「私に気持ちを伝えてくれた春樹くんは、弱虫なんかじゃないです……」
気持ちを伝えることが、どれだけ勇気がいることか、分かるから。
あんなにも真っ直ぐ気持ちを伝えてくれた春樹くんが、弱虫なはずないんです……。
「ありがとう、未央ちゃん。
そういうとこ、すごく好きだった」
気づけば、〝だった〟って過去形になっていて。
その言葉に込められた春樹くんの気持ちが、すっと心に届いた。
