「噛み噛みでごめんなさい……」
と謝りながら顔を上げると、そこで真紘くんの頰が赤らんでいることに気づいた。
「真紘くん、顔……」
「うっせ、見んな」
「え……?」
「…あんたに名前呼ばれんの、照れんだよ、ばか」
そう言ってふいっとそっぽを向く真紘くんが、なんだか可愛くて。
真紘くんも照れてくれたんですか……?
胸が温かくなって、思わず笑顔がこぼれた。
私の手を握りしめてくれていた、真紘くんの手。
私はそれをぎゅっと握り返した。
* * ・ * ・ * *
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