「結城くん……。
怖くなんかないです、だって結城くんのこと好きだから……」
涙が溢れて、それを隠すように手で顔を覆う。
と、その時だった。
ぐいっとその手を引かれたかと思うと、
「……んっ」
気づけば、結城くんの唇が、私のそれに押しつけられていて。
何が起こったのか分からず、思考が停止する。
と、唇が離れ、
頭が混乱して固まったままの私を真っ直ぐに見つめる結城くん。
「俺だって、触れたいっつーの。
いいって言うなら遠慮しねぇから」
いつもより熱を帯びた瞳。
その瞳に、さっき起きたことをやっと理解した私。
ゆ、結城くんと、き、き、キスしちゃったっ……?
う、う、うわぁーっ!
恥ずかしくて恥ずかしくて、思わず口元を覆う私。


