周りに誰もいない廊下に、私と結城くんの声が響く。




面倒くさいって思いましたか?




気持ち悪いって思いましたか?




でも、これが私の本心なんです……。




「引きましたか……?」




すると、今まで黙っていた結城くんが

私の手をぎゅっと握りしめた。




反射的に顔を上げると、結城くんがこっちを真っ直ぐに見つめていて。




「引くわけねーじゃん」




「え……?」




「でも、怖がらせたくなかったから、少し距離置いてた」




やっぱり……やっぱり、結城くんは優しいんだ。