改めて、結城くんが、みんなの結城くんだって実感する。




私だって、あんなに近くに行けないのに……。




結城くんの素っ気なさを思い出し、さらに心がブルーになる。




「さみしいです……」




届くはずないのに、ぽつりとそう呟いた時。




「未央ちゃん、どうしたの?」




そんな声が背後から聞こえて振り向くと、そこには春樹くんが立っていた。




「春樹くん…」




「さみしいって聞こえたけど」




「あっ、なんでもないです!」




心配そうな春樹くんの表情に、胸が痛くなる。




優しい春樹くんを、心配させるわけにはいかないです……。