そして、今に至る。
「はぁ〜……」
私はひとり、廊下の窓枠に肘をついて、外に向かって大きく溜め息をついた。
浮かれてたのが、バカみたいです……。
自分の手を広げてみる。
この手が、結城くんと繋がる時は来るのでしょうか……。
「はぁ……」
もう一度、大きく溜め息をついた時。
ざわざわと校庭が騒がしくなり、不意にそちらに目を向けた。
すると、視界に飛び込んできたのは、今の私からしたら相当堪える光景───結城くんが大勢の女子に囲まれてるところで。
結城くんが歩くところに女子が集まり、そして黄色い歓声が飛び交っている。
でもそれを、私は廊下から見ていることしかできなくて。
ズキンッて、胸が痛んだ。


