「ゆっ、結城…くん……っ」 私の声は、彼に届くことなく、降りしきる雨の音に掻き消された。 雨なのか、分からない。 だけど、頰を何かが濡らすの。 「ふっ、うぅっ……」 結城くん、離れたくなんてないです。 なんで今、私はこんなに胸が痛いんですか……? なんでこんなにも胸が苦しいんですか……? 降りしきる雨の中、 頰を流れ伝う涙は 止まることを知りませんでした───……。 * * ・ * ・ * *