「……なんで……なんで……?」




なんで、人を殴っているんですか……?




そう言いたいのに、声が上擦って言葉が出てこない。




だって、

目を細めて笑うあの結城くんとは

別人みたいで……。




怖い───




何よりもそう思った。




動揺していた結城くんの瞳は、

いつの間にか強い光を放っていて。




私が知ってる結城くんは、そんな怖い目をしない……。




「なんでって、あんたには関係ねぇだろ」




「え……?」




結城くんがいつもより低いトーンで放った言葉に、思わず固まる私。




関係ないなんて、なんでそんなに悲しいこと言うんですか……?




そして、思い出されたあの日の言葉。




『別に俺、大原のこと好きじゃねーから』




仲良くなれたって思ってたのに

今回もやっぱり、私の成り上がりだったんですか……?