「っておい!
真紘聞いてねぇじゃんか!」
「さっきからそんな真剣に何を見てんだよ」
「んー、内緒」
後ろには目もくれず、反対側の校舎を見ていると、
ブワッと風が吹き、保健室のカーテンが揺れた。
その瞬間見えた、
大原に身体を向けるような形で椅子に座ってる男の姿。
「わり、俺、行ってくる」
気づけば身体が動いていた。
手すりから手を離し、ベランダの入り口へと歩き出す。
「えっ!? 行くってどこにだよ!」
そんな声を背中に受けながら。
* * ・ * ・ * *
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