運命のブレスレット

「萌南は…合気道やらないの?」


「……。」


私は黙って立ち上がるとタンスの引き出しから箱を取り出した。


テーブルの上に置いて蓋をあける。



「この稽古服…残してたの。捨てようにも捨てられなくって。」


夏帆が中を覗き込んで、こっちを見た。


予想以上だったみたいで若干のショックが顔に出ていた。



「もうズタズタのボロボロでしょ?」


「…うん。」


「あの時自分でもおかしくなってこんなことしちゃったの。」


「……。」


「…でも今でも合気道は好き。」


「じゃあやったらいいじゃん!」


「……。」


「もう一回やったらいいよ。」


夏帆…


「……。」


「もう、萌南!過去のことは引きずったらダメ!どうせみんなにこの性格馬鹿にされるとかまだ思ってるんでしょ?」


「…うん。」