「それから1年間、死に物狂いで勉強してこの高校に受かることができたの。登校最低限の日数しか行かなかったし、卒業式にも出なくって卒業証書をお母さんに受け取ってきてもらったんだよ。」
いつの間にか下がっていた目線を上げると夏帆が目を赤くして涙を流していた。
黙ってティッシュを渡すとありがとうと受け取ってくれた。
「そういうことがあって…家柄のことも隠したかったし合気道してたことも、喧嘩は売られたら買う性格だってことも…その性格が裏だって思われるのも嫌で。ずっとずっと入学してから素を出してなかった。でも今日、思わず頭にきたから本性が出ちゃってあんなことしちゃったの。だからみんなからどう思われるか不安で不安で…。」
「でも萌南…。一回だけ素を見せてくれたことあるよね。」
「え?」
夏帆の言葉にびっくりした。
「ほら、中庭で三宅先輩らしき人を見つけて走って行ってたじゃん。あれ、萌南らしくないなって思ってた。あれ、萌南の素だよね?」
「あ、うん。」
こくんと頷く。
「夏帆…」
「うん?」
「私の素の姿、見つけてくれてありがとう。」
まさかそんなところまで見てくれてるとは思ってなかった。
いつの間にか下がっていた目線を上げると夏帆が目を赤くして涙を流していた。
黙ってティッシュを渡すとありがとうと受け取ってくれた。
「そういうことがあって…家柄のことも隠したかったし合気道してたことも、喧嘩は売られたら買う性格だってことも…その性格が裏だって思われるのも嫌で。ずっとずっと入学してから素を出してなかった。でも今日、思わず頭にきたから本性が出ちゃってあんなことしちゃったの。だからみんなからどう思われるか不安で不安で…。」
「でも萌南…。一回だけ素を見せてくれたことあるよね。」
「え?」
夏帆の言葉にびっくりした。
「ほら、中庭で三宅先輩らしき人を見つけて走って行ってたじゃん。あれ、萌南らしくないなって思ってた。あれ、萌南の素だよね?」
「あ、うん。」
こくんと頷く。
「夏帆…」
「うん?」
「私の素の姿、見つけてくれてありがとう。」
まさかそんなところまで見てくれてるとは思ってなかった。

