運命のブレスレット

車に乗って家に帰り、自分の部屋に入った。


テーブルの上に、ズタズタの制服を置くと、床に合気道の稽古服が置いてあるのに気づいた。



それを手に取って眺めているうちにじわじわと涙が出てきた。



ポタポタと落ちた涙で白い稽古服が濡れていく。



私はただ、普通に学校に行って普通に部活もして、普通に合気道の稽古もして…


それが、なんでこんなことになっちゃったんだろ…。


この悲劇の全ては、私が合気道を習い始めたことなのかもしれない。



大好きで大好きでたまらなかった合気道が、


こんな悲劇を招くなんて…。



そう思うといても立ってもいられなくなり、気がつくと手に裁ちばさみを持ってジョキジョキと稽古服を切り刻んでいた。



目からは涙が出ているのに、稽古服を切り刻む手が止まらない…。



『もぅ…な…んで……。…んなことに…。』



はっと我に帰った時には持っていた稽古服を3枚とも全部、ズタズタに切り刻んでいた。


散り散りばらばらになった、変わり果てた稽古服が床の上に散らばっていた。



『わぁーーー!!!!!!』



それを見た時、自分でもあり得ないくらいの叫び声を出して、狂ったように泣いた。