運命のブレスレット

お母さんやおじいちゃん、おばあちゃん、それから家のお手伝いさんには、いじめのことをバレないようにする為、いろんなことをした。



私が泣いたのは、大抵がその人達に隠し通すことの苦しさからで、泣く度にまだまだ自分はダメだと言い聞かせて道場に通った。



お弁当は出来るだけ元々少なくしてもらった(元々が少なかったら中身を捨てられてもバレにくいから)。



頭からジュースや牛乳、ゴミをかけられたり、汚いデッキブラシで全体を汚された時は特に大変だった。


これをされる確率が1番高かったのでカバンには常に予備の制服と携帯用シャンプー、タオルを入れていた。



この被害を受けた時は、その日の授業を半分サボる覚悟でカバンから予備の制服を出して運動場に向かい、大きな手洗い場で全身をわざと水浸しにして、それを口実に学校の洗濯機を借りて汚れた制服を洗った。



汚れた髪の毛は体育系のクラブの子が使うシャワー室を、誰もいない間に借りて洗った。



私の毎日の努力が実って、家の人には誰にもバレることはなかった。