運命のブレスレット

そして…



橘さんが正門前に車を止めた。


周りの生徒達はいきなり見慣れない大きな黒塗りの車が止まったので不思議そうに立ち止まっている人もいる。


「お嬢様、お降りにならないのですか?」


「橘さん…学校の周りをもう一周して下さい。」


「…かしこまりました。」



こうして車は再び動き出したけど、さっきまでみたいに悠長に構えている暇がなく、どこに車を止めたらいいかを考えないといけなくなった。



考えている間にも、また車が正門前に到着した。



「っ橘さん!ごめんなさい。あともう一周だけ!」


生徒の数はさっきよりも増えていて、これでは増えていく一方だと悟った。


「あと一周だけですよ、お嬢様。」


「分かってるわ。」


そうイライラして言いながら私はやっとどこに車を止めるかを決めた。



「橘さん、きっちり正門の真ん前に下ろして。」


だって正門の真ん前だったらちょっとでも見られる距離が短くなるでしょ?


「はい。承知致しました。」