運命のブレスレット

「萌南ちゃんこっち向いて。」


そう言われたので恐る恐るだけど顔を上げて先輩を見た。


「俺は萌南ちゃんのこと、ちゃんと覚えてるよ。だから人違いじゃない。安心して。」

「え⁉︎ど、どういう…?」

目を見張った私の前に先輩はスマホのストラップを垂らした。


「これで分かるでしょ、萌南ちゃん。」

あ!!!!

ってことは…

私は合ってた??


「み、三宅…先輩です…か?」

「うん。」

「か、かずくん?」

「そうだよ。」

「っっ…か、かずくん、私、それ手首につけてって言ったじゃん!」

「ごめんって。俺の手首に入らなくなったんだからしょうがないじゃん。」

嬉しい…

物凄く嬉しい!

嬉しすぎる!

入らなくなったからって言って捨てないで、それをストラップに改造してスマホに付けてくれてるなんて。


「かずくんって優しいとこ、ほんと変わんないね。」

私がそう言うとかずくんは笑いながら言った。


「どっか変わったとこある?」

「ううん。やっぱりなんでもない。」