運命のブレスレット

校門に近づいていくと、門の横にさっきのイケメンすぎる先輩が立っているのが見えた。

緊張のあまり、ゴクリと唾を飲み込む。


「カズ、連れてきた。」

ぶっきら棒な結城先輩の言葉にその先輩は顔を上げてこっちを見た。


「い、1年C組の大谷萌南です。さっきは…昼休みは、人違いをしてしまい、本当に本当に申し訳ございませんでした。」


下を向いて唇を噛み締めて先輩の言葉を待つ。


「萌南ちゃん。」

「…は……い。」

「久しぶりだね。元気にしてた?」

「へ?」


言葉の意味が飲み込めない。

久しぶりって言うけど…私、さっき昼休みにこの人と会ったばっかりなんだけど。

しかもなんで私を、下の名前のちゃん付けで呼ぶの?

私、気安く下の名前をしかもちゃん付けで呼ばれるのがすごく嫌だし、まず私のことをちゃん付けで呼ぶ男の子ってかずくんぐらいなんだけど。


ってことはこの人って意外とチャラいのかな?