運命のブレスレット

「あの、お、大谷萌南です。さっきは本当に失礼致しました。」

「とにかく荷物まとめてもう一回出てきて。」

「え⁉︎」

「だから荷物まとめてもう一回出てこいっつってんの!」

「は、はい。すみません。」


こ、怖い。


とにかくあの怖い先輩からの命令なのでささささっと教室に戻って、教科書類をカバンに詰め込む。


夏帆が心配そうに見ていたから、後で連絡すると言って廊下に飛び出した。


「お待たせしました。」

「俺は別に怖いっつーわけじゃねぇから。因みに2-Aの結城司(ゆうきつかさ)。カズの友達。」

「はぁ。」

いや、明らかに怖いじゃないですか!

だって近くで見るとイケメンの部類だけど両耳にピアス2個つけてるし、髪は茶髪だし…。(→勿論染めてるんだよ⁉︎)


「大谷だよな?カズが待ってるから。」

「は、はいぃ!」

カズってあのイケメンの先輩のことだよね⁉︎

わ、私…。

やっぱり怒られるんだ。

入学早々あんなことしたらそりゃ怒られるか…。


結城先輩はそんな私を見てニヤッと笑った後に歩き始め、私は覚悟を決めて先輩の後に続いた。