運命のブレスレット

「今まで3週間ほどお世話になりました。ありがとうございました」


そして今日は最終日。管理人さんに車で家まで送ってもらって車を降りた。

お母さんが先に家に入る。

守衛さんやメイドさん達の声が聞こえてきた。

「ではお嬢様、今度はいつお会いできるか分かりませんが…お元気で」


「えぇ、あなたもね。短い間だったけど、ありがとう。また遊びに行くわ」


「はい。では待っておりますのでいつでもいらしてください」


そう嬉しそうに言う管理人さんに、微笑んで背中を向ける。


そこから家へ入ると、何故か守衛さんもメイドさんたちも私を見るや固まった。


「あら、どうかなさって?」


「いや…どうもすみません。お嬢様、お帰りなさいませ」


「お、お帰りなさいませ」

慌てて挨拶をするみんなに、クスッと笑いがこみ上げた。

「楽しそうで何よりだわ」

そう言うと、再びシーンとなったけどそれには気を止めずに玄関へ行って靴を脱いだ。


「お嬢様のさっきのお顔見ました?」


「どうかなさって?の一言でも失神しそうになったのにその後クスッてお笑いになったのよ」


「それに芸能人のようなあのオーラ…何が起こったんだ?」

そんな会話が後ろでされているとは気づく由もなかった。