運命のブレスレット

そして別荘での暮らしが始まって1週間ちょっとたった頃…


私が日本舞踊の稽古を受けている時…


「最近の萌南さん、ガラリと変わられましたね」


いきなり先生からそう言われた。

「そうでしょうか？自分ではよく分からないんですけど」


「あらぁ、本当のことよ。ものすごい威圧感が出てきたわ。それに、上手くなってきたじゃない」


「本当ですか？ありがとうございます」


先生に褒められることで自信が湧いて、その日も必死で練習をした。


「萌南お嬢様、毎日お稽古が終わった後も３時間は練習してらっしゃるのよ」


「嘘っ！あんなハードなスケジュールで凄すぎるわ」


「本当よ。毎日汗だくになりながら真剣にずっとお部屋で練習をなさってるの」


廊下を通ると、メイドさん達のそんな会話が聞こえることもあった。


でも私は褒められるためにやってるんじゃない。


自分の将来のためにやってるんだから。