運命のブレスレット

「私…分かってた。

心の中では。

自分が何でこんなことになってるのか。

でも言えなかった。

というより、もう自分から話しかけちゃダメだと思った。

だけど、言い訳だと思われるかも知れないけど言う。

何であの時私があんなことしたのか。


あの頃…。苺々と私、いっつも一緒にいたよね?

でもあの時から既に私、悪口言われてたんだ。

告白される度に“私の彼氏取りやがって”って。

そのせいで苺々のいない所で、私結構呼び出し食らってたんだよね。

それだけなら良いの。

でもそのうち、苺々のあの時の彼氏と噂が立ち出したの。

知らないでしょ?

知ってたとしても、それは別の形で伝わってると思う。

“水野沙耶は野口苺々の彼氏を奪い取った”とかね。

よく苺々の彼氏と、苺々と私の3人で行動してたじゃん?

そのせいで気付いたら噂がちらほら立っちゃってて、苺々の耳には入れさせちゃいけないって思った。

苺々大好きだったじゃん、あの彼氏のこと。だからそんな噂耳に入れて欲しくなかったの。」


そこまでサヤが話した所で野口さんが口を挟んだ。


「何なの?アンタそれだけで絶交って言ったの?私に?」


サヤ…


野口さんと絶交したんだ…