運命のブレスレット

私はここまでの話を一つずつ夏帆に話して聞かせた後にこう言った。


「私…今ね、そのブレスレットをまだ付けてくれてると信じた上で、かずくんを探してるの。」

「うん。」

「でも、もうとっくの昔に外ししてる可能性が高くって…。」

「萌南!ネガティブ思考は止めようよ。取り敢えず、どっちかの手首にブレスレットが付いてるかで探そう!三宅先輩を信じようよ!ブレスレットって一応ここの校則違反じゃないから、きっと学校内でも付けてくれてるよ!」


夏帆が三宅先輩と言うのを聞いて思わず笑ってしまった。


「萌南はなんでそこで笑うの!」

「だって…あのかずくんが三宅先輩って呼ばれてるの聞いてさ。」

「だって私からしたらこの学校の先輩じゃん!まぁとにかく、私も手首に注目したらいいのね。」

「うん。協力ありがとう。」

「あ、肝心なこと聞いてなかった。萌南は三宅先輩のこと、まだ好きなの?」

「え、今は…好きじゃないよ⁉︎幼稚園の頃好きだったってだけ。」

そう言って夏帆と教室に戻ろうとした時、校舎へと戻る階段が騒がしくなって人だかりが現れた。