「そうだったんだ‥。」


なんでだろう。この時の私には、それを言うのが精一杯で、他に何の台詞も浮かんでこなかった。


「あっ、これ内緒ね?」


そう口に人差し指を当て、少し照れながら、そんなことを言う川崎さんは、同性の私から見ても本当に可愛かった。


あー、これが恋する乙女なんだなぁ。

私は、この時の川崎さんを見て、そう感じた。