夏の前の日


お風呂からあがって、
ドライヤーが嫌いなリンを無理矢理捕まえて
髪を乾かしてやる。

「ドライヤーってキライ」

「風邪引くぞ」

「ユウが看病してくれるもん」

身体の弱いリンは毎年
何かしらで入院しているし
よく体調を崩す。

「居ない間、どーすんだよ」

「放置。」

「馬鹿か!自己管理しろって」


料理の得意なリンは
食生活には気を使っている。

けど、リンの小食具合は
今までにあったことのない程酷くて
おまけに規則悪い生活を
昔から繰り返しているから。

尚更、心配になる。


「今年の夏も入院しちゃったら嫌だなー」

「心配かけんようにしてくれよ」

「うん。」

リンは去年の夏に
卵巣に癌が見つかって入院をした。

下腹にはそのとき手術した痕が
痛々しく刻まれていた。