Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜




わたしは安心して
列の一番後ろに行こうとしたんだけど


「あれ?カコちゃん…?」


「い〜よ、一緒に後ろ行こ」


「なして?せっかく並んでたのに…」


「い〜ってい〜って
この停留所だと朝は座れないから
一番後ろでも、一緒一緒」




カコちゃんはそう言って
わたしと一緒に、列の後ろへ


「スイ、今日は朝ごはん 何食べて来た?」


「のりご飯」


「うちはパンだけだわ〜
やっぱり一人暮し、早まったかなあ」


「にんぎまま食べる?」


「え、お昼でしょ?それ」


「いっぱいあるけん」


「いただきまぁす!」



二人で けらけら笑う


ホイルをむき、大きく口を開け
オニギリを食べるカコちゃんは
小さい時からの、幼なじみ


今年、大学生になった




「やっぱり
おばさんのオニギリ美味しいわ〜」


「お茶もあるよ」


「冷やして来たの?」


「うん 凍らせて来たぁ」




「――― アヤ

学校、まだ 来ない?」


「… うん」




路面電車が来て
二人、それに乗った