「今の奴、辞めたんよ 学校」
「―――― え…」
「自主…っちゆうか、退学?
あと一年、やったんけどね」
"高校を…やめる"
…最近少しだけ、頭に浮かんでた
だけどホントに、やれるわけがない
近くて…遠い… 言葉… ―――
すごい勇気
あると思う…
「…宮本彗、やっけ」
名前を呼ばれて
顔をあげた
「行くったい所、無かなら
ここにきいよ」
肩までの 色の抜けた、柔らかい髪
濡れたみたいな グロスの唇
カレシだっていう
背の高い、金髪頭の、タオルの人
"みんな おるし ―――― "
二人はそう言って 笑ってくれた


