びっくりしたまま
背中を押され、中に入ると ―――
「なんしよるんばい
早よこっち、来い」
「怖くなかよ〜」
「そげん事ゆうと、余計ビビるやろ!」
笑い声
ラジオの音
―… 頭、タオルで
わしわし拭かれてる
着替えたのは
貯水槽が乗っかってる
出っ張ってるとこの影
入口にいた、女の先輩が
ふざけて覗こうとする皆を
ちょっと乱暴に 追い払ってくれた
「はい、これ」
「… がとぅ…ござぃます」
渡されたのは
石鹸のにおいじゃなくて
香水のにおいがする オレンジ色のTシャツ
すごく 大きい
「貸しぃや!!」
―――― え
抱えてた、濡れた制服
その中の一人の人に
いきなりパッて、奪われた…
「心配なかよ
奴んち、クリーニング屋やけん」
「しゅぐ乾かして来てやるけん
待っちな!!」


