… 夢じゃ ないよね?
頭に乗せられた帽子を
ぎゅ って にぎった
貧血のせい
だけじゃなくて
ずっとそばにいたのに
顔 よく 覚えてない気がする…
… でも
キレイな口元とか
大きくて やさしい手
すごい、強い目の人だなあとか
… なのに
小さい男の子みたいな
しゃれっけない、笑い方するなあとか
そういう…ことは、よく、覚えてる…
よく、わからないけど
足、勝手に スキップして
普段は見慣れてる
帰りの、まだ緑色した 紫陽花の道が
どこか不思議の国へ案内する
魔法の通路みたいにみえる
あしたも、会えるかな …―――


