早く、席
つこうと思ったのに
周り
顔 顔 顔 ―――
「スイしゃん!アズライトんとこがら
デビューしゅるんやろ?!」
「お、おれ宮本は〜
友達っち言っちゃったよ!」
「そげなん当たり前じゃなかあ!
同クラん仲間やもん!」
「なあなあ!東京来ると?!
テレビば出よると?!」
「や…まだ
よくわからんばい…」
「え…?ウソなん?!」
「ホ…ホントは、ホントばってん…」
「―― ほらぁっ!!
やっぱりホントばい!」
「すらごつ!ばりばりよ宮本しゃん!」
… すごい勢いで、取り囲まれて
だけど、ガタン って
熊石さん
席立ったのが、見えた
… 一瞬また 静かになって
ツカツカ歩いて来た熊石さんが
人垣を 割った
「な…く、熊石ぃ!
なんムリヤリ…!!」
「――― スイちゃん…!!」
腕、つかまれて
「なぁ…?!お願いよぅ!!
は…灰谷に、会わせてっ!!
うち、遠矢の大ファンなんよぉ!!」
熊石さん
泣きそうな 眉毛寄った 笑顔


