Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜





雨 激しくなった




… でも、ホントになんだろう


「こぉんにちはぁ…」


「… こんにちはぁ」



なんか、二人とも
顔見合わせながら、低い声で
こっそり玄関の 引き戸を開けた




玄関先には
おじさんおばさんのサンダルと
カコちゃんのスニーカーとか




… それと


きちんと揃えてある
男物の皮靴と、パンプス


でもこれ…知らない




「うへぇ…
なぁ…スイ、先生じゃ…なかよね…?」


「………」




「アヤ!スイ!!」


『―― ぅわああああっ?!?!』


「どうしたのそんなびっくりして!!」


『だ…だってぇ…!!』


「カコちゃ…」




「早くあがっておいで!!
すっごいお客さん、中で待ってるから!」




「――… すっごい…?」