「歌うたうの、好きか?」
「――…」
夜空を見上げる横顔…
海風にそよぐ髪
輪郭を 青白く染めて
魔法使いが突然 わたしに聞いた…
――…『うん』って言葉
すぐに出なかったのは…
迷ったからとか
そういうんじゃなくて…
… 海とか 山とか
雲が動いてく 瑠璃色の星空
稲が生えてる、水田とか
カエルの合唱、飛ぶホタル
カコちゃんアヤちゃんと、一緒にいる
わたしにとっては歌うことって
そういうコトと、同じだから ―――
… でもずっと
歌が生まれて来なかった
歌う事 ずっと、忘れてた…
駅前で、大声出た時
ホントに一番 驚いたのは
一番 嬉しかったのは
わたしだったのかもしれない …―――
「…あ… ぁのなぁ…?」
「――― おう」


