「ただいま〜」
「ただいま!おばいちゃ…!」
――… あれ?
いつもの元気な
『おかえり〜』が無い…
中から聞こえて来るのは
テレビの笑い声
「あれ?バーチャン、いねえのか?」
暗くなると、閉じられる店先
だから裏口から、扉を開けて入って来た
「二階…?」
「草履がねえな」
「…畑?」
すぐ裏に小さな、庭があって
この辺の家はどこでも
野菜とか、ちょこっと作ってる
『一応』って言って
魔法使いは、二階に昇って
しばらくして、階段を降りて来る音
台所の横ぬけて、居間に入ると
扇風機が ゆっくり回ってて
ちゃぶ台の上には
お茶碗と、おひつと、オシャモジ
かぼちゃの煮物があって
乾いたフキンが かけられてた
「 あ 」
布の影に、チラシ
『かいもの』って
裏にボールペンで、一言
… ホッとした
魔法使いも、同じみたいで
かもいから 手をおろしながら
台所にしゃがんで、買って来た物
ビニール袋を探って、取り出し始めた
「スイ、これ冷凍庫な」
「あ…! うん…っ!!」


