淡い外灯の坂道
カシカシ 靴音
魔法使いは 煙草吸いながら
小さな声で 鼻歌うたってる
… そういえばわたし
何かお礼しようと思って
駅前まで行ったのに
結局なんにも、買ってないんだ…
それに
「… なぁ? 真木しゃん」
「お?」
「… なんで、あんな場所にいたと?」
また、マンガか何か
買いに行ってたんだろうか
「心配だったから、迎えに行った」
「――… え 」
考えても なかった言葉
「… 心…配?」
「遅かったろ」
「…… うん 」
――… 魔法使いは 前を向いたまま
ジーンズ 腰の所に 親指かけてて
片方の手には ビニール袋
… 魔法使いにとっては、こういうこと
慣れてるのかもしれない
特別なことじゃ ないのかもしれない
でも、
うれしい…


