「―― うあ スイ!!
ヤベエ!!船の時間!!」
「…えっ?!」
駅前の渋滞
点滅する信号
ボーッとしたまま
手を引かれて走る
笛を鳴らす
島へ渡る 最終の船
そこで初めて
自分の足が動いた
「…ま… 間に合ったぁ」
飛び込むように渡った 揺れる桟橋
ライトの点いた座席は
お客さんで、いっぱいで
窓からは 海風 ――――…
二人席
魔法使いが拡げた両手は
背もたれのとこ
だから、背中 熱い…
優しい目が
わたしを見て 微笑んでる
「… 待っ …良 …った」
「…… え?」
――… 風に遮られて 聞こえなかった
今 なんて、言ったの…?


