壁には 象が描かれたカーペット
「…ごめんなさい」
小花柄した 白い家具と
キャンディーカラーのラックとイス
「いえいえ
もう気にしないで ――
きちんと、連絡を頂いていましたよ
お父様から
島に住んでらっしゃると聞きました
毎日、大変でしょう」
ラジオの音
ランプシェード
ハンモック
置時計と ガラスの花瓶
人形が踊るオルゴールと
唐草模様のフォトスタンド
「さあ、召し上がれ
おかわりも ありますよ」
みかんジュース
大きなドーナツ
おじいさん
怒ってなかった…
「それにね
もうこの店は
閉めようと、思っていたんです」
―――… え
「あ…っ あのっ!!
うちのせいですか?!
働く人、いないから…!!」
「あああ
いえいえ!!違います
誤解してしまうような言い方を
してしまって、ごめんなさいね?
… もう、年ですから
独りで買い付けに行くのも
そろそろ、きつくなって来ていて…
それに
あの募集の紙 ―――
だいぶ、汚れていたし
字もかなり薄くなっていたでしょう?
貼ったのは、本当に 随分前の事で…
あなたがいらっしゃるまで
すっかり、忘れていたんですよ」
「………」
「"ああ そうだった"と
あなたに言われて、思い出した
――… でも
時給だって、あまりよくないし
どうしてあなたは、働きたくなったの?」


