Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜




わかんない…


わかんない…けど


服、いつもみたいに


シャツとジーンズで


でも…




「――… スイ?」


目の前で
パチンって音がして
はっとした




「… あ」


「疲れたか?」


… ジッとわたしを見る 魔法使いの目


鳴らされた指が、下ろされた…




「… ううん!なんでもなか!」


おもいっきりの
笑顔、向けてみる


でも そんな事、慣れてないから…
慌てて教科書で 顔を隠した




「あ、そうだ スイ」


「は、はい!」


「これ使え」


「――… なん?…あ」




魔法使いの手には
街の大きな本屋さんの
青い ビニールバック




「数学の参考書
わかりやすいらしいぞ」


「…あ… ありがとう…

――… も…もしかして
これ、買いに行っとったと?」


「ついで」




言った瞬間
魔法使いの手には
新しい少年マンガ…




「ちょっと読むから、やってろや」


「……」


すぐに、油のニオイと
魔法使いの 笑い声
単行本まで買ってるし…


真田トオル
"走れ!リョーマくん"


クラスで、読んでる男子
見た事ある


"坂本龍馬は、殺されてなくて
いろんな国を 冒険してる"話