「スイ、おはよ〜ぉ!」
「――… アヤちゃん!」
朝
学校に行こうと、玄関を開けたら
ヘッドフォンをつけたアヤちゃんが
道の前の石垣に、ひとりで座って
ケータイゲームしながら、待ってた
「やぁ…声、かけてくれれば…!
いつから居ちくれとったと?!」
「ん〜?
さっきまで裏行って
おいしゃんの作業、ずっと見てたから」
「… 工房?」
「うん
おいしゃん、心配しよったよ
… なんか
アヤちゃんもバイト探しとるなら
夏休み、店の売り子
スイと一緒にやらんねっち
言うてくれた」
「……」
――― バイト
初めて自分で、勇気出した事だった…
退院した日
"断った"って お父さんに、言われて…
わたしが…馬鹿だったし
仕方ないと そう思った…
「そいにスイ
なしけん、あげな日に
防波堤にいたと…?」
「… え」
「あ〜…
親子ゲンカしたっち?
おばしゃんに、ちょこっと聞いた
ばってん…
うちやあっけんまいし
ウッカリ海に落ちるげな
なんか、スイらしくなかなと思っち」
――― ヨッチャンとは
あの日から、会ってない
「ほら〜!!机の上の物
筆記用具以外、早くしまえ〜」


