(あ、思い出した。)

義男は神妙な面持ちになって記憶を探る。

義男が忘れたい嫌な記憶の一つであろう出来事があった日だ。

この前日、義男は小学校で上履きを隠され、教科書もゴミ箱に捨てられるというイジメを受けていたのだ。

この時は、本当に世の中の全てが敵に見えていた。

だから、布団に包まる自分の気持ちが良くわかる。

自分だから。

そして、この後とった行動もハッキリと覚えている。