やり直し。

義男は電車に揺られ、肩を落とす。

楽しみにしていた旅行に行けなくなった。

このまま帰るのも寂しいと思い、旅費を片手に普段なら到底、手が届かないような高級レストランに入った。

味が分からない。

綺麗に彩られた食材を口に運ぶという作業をこなし店を出た。

空は嫌味なほど青々としていた。

『アメリカは今頃、嵐か…』

義男はブラブラと重たい荷物を片手に街を歩いた。

加奈子に合わす顔がない。

どうせ、ダメ夫の烙印を押されるだけなのだ。

重たい足取りで家路に向かう。

(ちょっと待てー!どうしたら良い!これは万事休すだ!)