当たり前のような日常、それは、今日もやってきた。


朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、


朝ご飯を作って、一人で食べて、一人で片付けて、


制服に着替えて、髪を整えて、家を出る。


そして、隣の家のインターホンを押す。

「…………どちら様ですか…」

「おはよう!!朝だよ!」

「わかってるよ…」

幼馴染みの白羽 琥珀を起こすのが毎日の日課。


「早くー!遅刻するよ?!」

「はいはい…入る?」

「準備が長いようなら入る」

「どうぞ」

「ったくもー…早くねー?」

時々家の中に入ったりもする。

幼なじみ。

小さい頃からとても仲が良くて、いつも一緒だった。

だから、あの日のことは忘れられない。

幼なじみの白羽琥珀♂と、私、朝比奈凛♀と、もう一人。幼なじみがいた。

「ねえ、琥珀…しーちゃんどうしてるかな…」

制服に着替えている琥珀が、反応した。

「…紫苑のことか?知らねーよ。あんな奴…」

「…でもさ、転校しちゃってから、寂しくない?あんな事されたのは、勿論嫌だったけど、それでも…時々会いたくなるの…」

「あいつのせいでお前怪我したじゃん。それで大好きだったピアノも出来なくなったんだろ?」

「でも…幼なじみだった…仲良かったじゃない!」

「………準備終わった」