むかし 私たちの住む世界を作ろうとするとき、神の世界で、大変な戦いが起こりました。

背中に美しく大きな翼をつけた神々は、美しく愛溢れる者たちを作るべきだと言いましたが、
するどく凶悪な牙を持つ怪物たちが、醜く乱暴な者たちを作るべきだと言い張ったのです。

新しい世界を美しい世界にするために、神々は怪物たちと勇敢に戦いました。

けれど怪物たちはとても強く、神々は大変に長い間、その戦いを続けました。


長い長い戦いの末、ようやく神々が勝利を収めました。

けれど、あまりも激しい戦いのため、神様も一人が残っただけでした。


たった一人残った神様は、とても悲しみ、こんなに戦をするべきではなかったと思いました。

そうして、たった一人残った神様は、新しい世界を、自分の、神の世界に似せて作ろうと思いました。

たった一人の神様は、
たくさん亡くなった神様の体から、風の力を取り出しました。
たくさん亡くなった怪物の体から、火の力を取り出しました。

そうして、土だけあった元の世界に、取り出した風と火の力を混ぜました。
そうして、この新しい世界では戦いが起きないように、自分の涙から水の力を取り出して、混ぜました。

こうして神様は、土と風と火と水を混ぜ合わせて、私たちの世界を創造したのです。

私たちと、私たちの暮らすこの世は、このように作られたために、土をもって温かく、風のように優雅で、火のように勇ましく、水のように情け深いのです。