「柊って、何組なんだ?」

「ん?私は5組だよー。須賀くんは?」

「オレは7組!結構近かったんだなー!」

須賀くんは私より身長が高いので、須賀くんが傘を持ってくれていた。

須賀くんはきっと誰から見てもカッコイイと言われるタイプ。

顔は整ってるし、喋ってたら結構面白いし、何気に優しいし。

下から眺めてても、やっぱカッコイイなぁ…。

ダメだダメだ、さっき須賀くんは好きにならないって決めたでしょ愛魅!!

顔をパチパチ叩いてたら、須賀くんにどしたの?って言われた。

はぁ…。

そんなことをしてたら、T字路に着いた。

「あ、私こっちなんだけど須賀くんは?」

「あー、オレあっちだわ。じゃあな、傘入れてくれてありがとよ!それと、お願いあるんだけど…。」

「ん?何?」

「LINE、交換しようぜ?」

「え?う、うん、いいよ!」

正直言って、私はすぐ舞い上がっちゃう方だ。

LINE交換しよう、だなんて…。

錦先輩の時は声さえかけることができなかったというのに!

え、えへへへ…。

「ひ、柊?なんか顔がスゲー事になってるぞ…?それに、えへへへって…?」

「え、あ、はっ!?」

ヤバイ、顔に出てた!?

思わず私は自分の顔をつまんだ。

一部始終を見てた須賀くんは笑いをこらえてたみたいだけど、耐え切れなくなったらしい。

ブハッと急に笑い始めた。

「え、ちょ、もう…!笑わないでってばー!」

最初は怒ってやろうかと思ったけど、そんな気、失せてしまった。

だって私は、キミの笑顔に弱いのを知っちゃったから。

「あーもう、笑った笑った!」

「須賀くんが1人笑ってただけでしょー?」

「柊も途中から笑ってたろ?」

ニヤッと笑われて、ぐっと言葉が詰まった。

隠すかのように私は、傘を須賀くんのお腹あたりに押し付けた。

「わ、わたっし!い、いえ、こ、ここ、から、ちかっ、近いから!じゃ、じゃーねー!」

そして家の方向に全速力で走った。

「おーい、柊ーっ!?」って須賀くんの声が聞こえたけど、無視した。

まるでこの気持ちにフタをするかの様に。