幼稚園でも私は友達と遊べない間や時間が空いた時に大したことない絵を描いて、先生の所に持っていっていた。

あの頃は今と違って怖いものなんか何もなくて、自分に自信があった。




「せんせー!」

私の声に反応して先生は振り返る。

「なーに?Aちゃん。」

先生は優しげな声で私に話し掛け、目線を合わせるようにしゃがんだ。

「見てみて!じょーずでしょ!?」

何とか先生にみてもらうため腕をピンと伸ばし、絵を掲げた。

先生は私の描いた絵を見ると頭をそっと撫でながら微笑んだ。