明らかに動揺した千春さんは、私から離れた。
(やっぱりそうだ。………何か…あるんだ。)
「どうゆう事ですか?」
「一緒に居るだけじゃ駄目ですか?」
「意味が分かりません。ちゃんと分かるように説明してください。」
なるべく冷静に喋ろうとするけど、極度の緊張で声が震える。
「貴女を騙すような形になって、申し訳なく思っています。」
鼓動が全身に響くほど早鐘を打っている。
聞いてはいけないと身体中がサイレンを鳴らしている。
それでも、私は止められない。
「教えてください。」
「私は……………私は、貴女を抱きたいと思った事がありません。」