黒木は万年筆を指の上でくるくる回しながら二人の写真を見比べた。


「さて、救世主になるかな。」


トン、トン………


「先生?ご予約の患者様がいらっしゃいました。」


「あぁ、今行くよ。」


黒木はダークブラウンのジャケットを脱ぐとクローゼットからパリッとアイロンが掛けられた白衣を取り出した。