「白川部長。さっきからずっと私の名前呼んでくれませんね?」
「もう…呼べないよ。君に悪いし………。」
「いいえ…呼んでください。よかったら娘と思って。もし、部長がお父さんだったらきっと自慢の父です!」
白川部長はうつ向くと、暫く顔を両手で覆っていた。
肩が震えて、指の間からすり抜けた涙がポタポタと地面に染みを作っていた。
初めて見る部長の涙。
当然私も貰い泣きをしてしまった。
部長は泣きながらも時々、小さな声で『ありがとう…花枝ちゃん』と何度も言ってくれた。
私は嬉しくて、切なくて、より一層泣いてしまった。



