「人がせっかく一人の時間を満喫してるのに~!」


きっと、のろけ話を延々と聴かされるのだろう。

半分うんざりだけど、後半分は興味本意だ。

あの、爽やか紳士が夜はどうなるのか…気にならないなんて嘘になる。


「もっし~、花枝?」


「まゆ~!!!!もしかして、彼、……かもしれな~い!!!どうしよう~!!!!!」


「はっ?」


「そうじゃなかったら全然理解できな~い!!!」


「ちょっと待って、一回落ち着いて。声大きすぎだし、分かるように説明して!」


いつもは冷静で、整然としゃべる花枝は、焦ると途端に早口になる。

今日もまた、相当パニクってる御様子。


「昨日、ホテルのスイートに泊まったの…窓からの夜景が綺麗で、シャンパンも凄く美味しくって、シャワー上がりの千春さんもめちゃくちゃセクシーで、とにかく最高のシチュエーションだったの!!」


「なんだ…ただの、のろけ話じゃん。」



「……うぅ………違うの………。問題はその後なんだってば~~!!!!」