千春さんが震えて泣いているようで、私は思わず彼の胸にぎゅっと抱きついた。


「千春さんが望む限り私は…ずっと、傍にいる………………。傍にいたい。」


千春さんの胸の音を、耳を当てて直に聞く、鼓動は更に速くなり、今にも壊れてしまいそうだ。


「花枝………。好きで…好きで…どうにかなりそうだよ。」


千春さんはそう言うと私の膝の裏に腕を差し入れて横抱きにすると、近くのソファーに連れていきそっと寝かせた。


「怖い?」


月明かりに照らされてやっと千春さんの顔が見えた。

熱っぽい瞳で切ないように笑う彼は全てにおいて、私を捕らえて離さない。


「全然………怖くないよ。」


少しだけ嘘をつく。


「俺は、怖い………溺れてしまいそうで…………。」


言葉とは裏腹に熱い唇が私を襲う。


キスをしながら、千春さんの手は滑るように私のブラウスのボタンを外していく。


私の上に股がるようにして見下ろす千春さんは今まで見た事のない真剣な顔をしている。

手を伸ばし、はだけた私の鎖骨からお腹に架けてなぞる指。

伏し目がちの目が私を誘惑する。


「千春さん…………。」


「花枝………。」