「恋人?………あはははっ!」
今まで一度も崩れたことのない彼女の顔が崩れ、急に大笑いしだした。
「なっ何なんですか!?笑うなんてどうゆう神経してんのよ!!千春さんが好きになった人がこんな人だったなんてガッカリです!!」
「だって、あなたが恋人なんて言うんですもの!私は恋人なんて思ったこと一度も無かったわ。」
(酷い………。千春さんは心から信頼していたのに………。)
「千春さんに謝ってください!!」
彼女は微笑を浮かべたまま私をじっと見つめている。
「泉さんが選んだ人って、こんな人だったのね………面白いわ。………通りで私じゃ駄目な筈ね。」
「えっ?」
「あなた何か勘違いしてるようだけど、私達は付き合ってなんかいなかったわ。最後まで上司と一秘書だった。」
「えっ?だって、黒木先生が唯一最後までいった深い仲だって………。」
「フフフッ………それは別れ際、悔しくてついた嘘なの。」
「嘘!?どうしてそんな………」
「ずっと好きだったから………。でも、私はいつまで経っても秘書でしかなかった。周りの人からすれば少しは特別だと思われてはいたけど。泉さんの秘密を知ってからは秘密を共有する役に立つ協力者かな。5年もずっと………あなたなら分かるでしょ?病が完治する見込みはなかった。私、ふと思ったの………このままずっと報われなかったらって………。急に怖くなったわ。だから彼の前から逃げ出したの。」



